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「家族の立場からワーク・ライフ・バランスを考える」レポート03(家族の立場からワーク・ライフ・バランスを考える)

2009/11/16 子育てひろば あい・ぽーと(港区)

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大日向先生:

そうですね。最初のボタンをかけ違ってしまうと、ずっと平行線になってしまって、妻の方も「夫に頼む意欲」を失っていくということがあるのかもしれません。どうしたら、制度を絵に描いた餅でなく、ちゃんと動かせるようになるのでしょう。



★Kさん
(食品業):

私は子育てにはほとんど関わっていない世代です。先日、若い社員から、「育休取っても、社内で不利益になりませんか?評価は下がりませんか?」とまじめな顔で聞かれました。もちろん「そんなことはないよ」と答えました。人事サイドから見ても、育休取得など、もうちょっとうまくPRできないものかと思っています。モデルケースもまだなく、男性社員でも育休を取っていいんだよと伝えていきたい。



☆Oさん:

病気や子どもの行事などをはじめ、子どものことや家族のことなど、プライベートな理由で休むのはいけないことという意識が、自分の中にも企業の中にもあるように思います。北欧など海外では、家族の行事に参加するのが当たり前という雰囲気があるように思います。



☆Iさん:

私の場合は、出産の時に、夫にいて欲しかった。長期出張中で、夫が日本にいないときに、出産となり、名前を決めるのにも、困りました。出産なのである程度、時期はわかっているのに。子どもだって大きくなった時に、なぜ自分が産まれたときに、「お父さんいなかったの?」って思うのではないかしら。



★Xさん
(保険業):

企業の中で、お昼ご飯を同僚と食べていても、男性同士で家の話しをすることがほとんどありません。今度、子どもの行事があるから休むよとか、今日は妻の誕生日だから……と言っておくと、意外と休めたり、残業せずに帰ったりすることができるもの。男性同士で、もっと家のことやスケジュールを伝えあっておくことも、大切だと思います。
最近では、メールでメンバーのスケジュール管理をするというのも普及していると思いますから、プライベートの予定も記入して、仕事の予定が埋まってしまわないように防御するのも、一つの手かなと思います。



大日向先生:

男性同士で、わが家のことを話したり、お子さんの写真を見せ合ったりできると、自然と会議の日程を調整しようということにもなって、WLBもスムーズに進むであろうというご提案です。そのような会話ができるためには、子どもが起きている時間に帰れることも必要ですし、「今日はこんなことがあったのよ」とか、「こんなことできるようになったよ」と、パートナーと子どもの話ができる余力がある時間に帰ってきて欲しいですね。



★Gさん
(育児雑誌編集):

私自身小さいときに、父親の会社見学とか会社の運動会に参加させていただきました。それまでは徹夜が多かったり、出張で3カ月いなかったりということもあって、父親の存在が希薄でした。でも働いている父親の姿を見たときに、「うちのお父さん、こんな一面があるんだ」と思いましたし、職場が自分にとってもすごく身近になりました。その後は、父が疲れて帰ってきたときは「お疲れさま」ってやさしい声をかけてあげられるようになり、父親もほっとしていたような感じがしました。
自宅が会社と近かったこともあって、道を歩いていると「○○さんの家の子だね」なんて、声をかけられることもあって、私自身も会社や同僚の方を身近に感じることができ、会社のみなさんに育てられたのかなという気もします。



★Pさん
(製造業):

当社は、会社見学は今はやっていませんが、ます釣り大会やバスハイク、芋掘りや運動会など、家族と一緒に楽しむイベントがたくさんあります。昔から家族ぐるみという雰囲気のある会社です。イベントで一緒に楽しむと、子どもの顔もわかって、「○○さんの家の子大きくなったね」なんて、会話にも出てきますし、会社の子という感じになりますね。「○日は入学式」とか「妻の具合が悪いので」という風に、休みも普通に取りやすいです。WLBというよりも、アットホームな会社なので、自然にそんな雰囲気が続いているという感じです。もちろん、働くときはしっかりというのが基本ですが。



大日向先生:

「働くときはしっかり働く」とおっしゃいましたが、WLBを推進していく上でとても大切なポイントだと思います。WLBは休むためだけにあるのではないと思います。企業ですから利潤の追求は大事です。会社がつぶれてまで、WLBをすることはあり得ないことですから。生産効率を上げることにより、よりよい働き方を目指すことを二律背反にしてはいけないと思います。そのあたり、女性が夫やパートナーに育児への協力を求めるときも、「あなた休んで」というだけではない戦略を考える必要があるのかもしれません。



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★Dさん
(デザイン業):

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弊社にはアニバーサリー休暇(記念日休暇)がありますが、仕事やプライベートのスケジュールをオープンにしながら休暇を取得することは、スタッフ自身に業務コントロールする力がつきますし、「お互いに支え合おう」という雰囲気ができたのがよかったと思います。また、一旦休みを取ることによって、当人の業務を他の人が分担するために、業務を洗い出すことができる。たとえば、ダラダラ業務が露見したり、上司がそれを把握するきっかけになるというメリットもあります。



★Tさん
(百貨店):

女性だけが育児休暇などの制度を使って働いていくというのは、課題ではありますね。日本の企業は、残業するのが当たり前みたいになっていますが、定時で上がれるようにすれば、短時間勤務を使わなくて済むかもしれない。女性のキャリアをロスしなくて済むかもしれないということを考えていかなくてはいけないのかなと思います。社内の男性に対しては、男性が実際に育児に短時間でも携わることで男性自身の意識も変わってきて、早く帰るために仕事の進め方も効率的になるという実例もありますから、広めていければと思います。
ただ、男性の育休取得者は、増えているとはいうものの、実際に取っている期間は2週間とか、1カ月以内がほとんどです。しかも有給休暇にするということがほとんどですから、なかなか男性がちゃんと育休を取るというのは、難しいのかなと思います。



大日向先生:

男性は育児休暇は取りにくいけれど、有給にして短期間の休暇取得なら取りやすいという企業が多いようですね。長期間仕事を休むのは、男性の場合、難しいですか?



★Tさん
(百貨店):

長期間休むとなると、その間、仕事のブランクがあることになりますから、昇進昇格には、多少は影響あると思いますね。だから「休むことが、昇進や昇格、給与に影響するから取りたくない」と言うことになるのだと思います。でも、出産の時に出張が入っていたというのは、本人として休みを取りたかったのか、または自分が出張に行きたいという意欲があったのではとも思いました。このあたりは、ケースバイケースなのかと思いますが。



大日向先生:

自分の仕事をコントロールできる立場にいる人なら、仕事の進捗状況をはかりながら制度を利用したり、上司とうまく調整したりできると思います。今、晩婚化、晩産化の傾向にありますから、育児休暇が必要な時にはある程度の役職になっていて、仕事との調整が比較的スムーズにできる方もおられるでしょう。一方、まだ若く勤続年数も短くて、自分で自分の仕事のペースがつかみにくい立場にいる方は、育休を取りたくても申請できなかったり、スケジュール調整も難しいことでしょう。
上司の方は、そのあたりをよく理解して、「出産や育児のために休みたい」という申し出があったときには、「いい仕事ができるようになるためにも、休みなさい」って言ってくださるといいですね。



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