トップ > 子供未来とうきょうメッセ2011 > メインステージの御案内 >シンポジウム レポート

開催趣旨・概要ボタン メインステージのご案内ボタン セミナースペース 展示ブースボタン
キッズスペースボタン ワークショップボタン アクセス メインステージお申込み

メインステージ 事前申込制(定員:各回150名)※講演、シンポジウムのみ

レポート
プログラム3

シンポジウム「災害から子供を守るために~家庭・地域・企業に求められるもの~」

東京で大規模な災害が起きた場合、社会全体でどうやって子どもを守っていくか。家庭・地域・企業・行政といったそれぞれの立場から話し合い、災害時に子どもを守るために平常時から何を心がけるべきか。地域社会の在り方や災害に対する備えについて、対談とパネルディスカッションがおこなれました。

シンポジウム様子(1)
対談
 内閣府 男女共同参画会議 専門委員 渥美由喜氏×
 株式会社 危機管理教育研究所 危機管理アドバイザー 国崎信江氏

◆自分の家・部屋の安全状態を確認

 阪神・淡路大震災では、建物や家具の被害で多くの命が失われました。そのほとんどが地震発生後15分以内、レスキュー隊が到着する前でした。まずは家を安全な場所にすることが、命を落とさないためのポイントになります。
自分の家がいつ建てられたのかを確認しましょう。建築年が昭和56年以前の場合、耐震性が低い可能性があります。賃貸住宅、マンションなら管理者や管理組合に問い合わせを。木造一戸建て住宅については、誰にでもだいたいの目安がつけられる耐震診断法があります。参考にしてみましょう。


URL:http://www.kenchiku-bosai.or.jp/seismic/wagaya.html

 家の中に家具が倒れてこない安全なスペースはありますか? 自分の家の安全な場所を知っておくことで、災害時だけでなく、子どもの事故予防にも役立ちます。「背の高い家具を固定させる」、「ガラスにフィルムを貼る」、「テーブルに耐震足をつけ強度を高める」、「ベッドのそばにスリッパを置いてく」など、自分ですぐにできる耐震対策もあります。家の中の安全について、もう一度考えてみましょう。


◆防災用品について

 地震の際、いかに非常用持ち出し袋を持ち出すかがカギになってきます。防災用品を一次持ち出し品、二次持ち出し品と分けてみてください。

<一時持ち出し品> ※印は、最低限の持ち歩き品として、普段からバッグに

常食※

ビニール袋※

ライター

飲料水

笛※

タオル

保険証のコピー※

ペンライト※

ウエットティッシュ※

通帳・重要書類の番号の控え※

携帯ラジオと電池

携帯トイレ※

携帯ラジオ※

軍手

母子健康手帳

家族との災害時の取り決めメモ※

マスク

応急手当用品

携帯電話充電器

ゴーグル

除菌剤など

これらを防災ベストに入れるなどして、ヘルメットと一緒に玄関までの動線上にかけておけば、サッと手にして避難できます。


二次持ち出し品については、避難所に落ち着いてから取りに戻るものと考えてください。

<二時持ち出し品>

食料や飲料水

災害用トイレ

給水袋(ウォータータンク)

食品用ラップ

トイレットペーパー

着替え

万能ナイフ

常備薬

衛生用品(ウェットタオル 水のいらないシャンプー、歯磨きシートなど)

カセットコンロ

ビニールシート

基礎化粧品・生理用品

カセットガス

カイロ

季節の必需品(カイロ、扇子)など

一時持ち出し品の中で※印のものは最低限の持ち歩き品として、普段からバッグに入れておくことをおすすめします。実際に用意してみると片手に乗るくらいの大きさでまとめることが可能。地震以外でも、いざというときに役に立ちます。


◆避難場所の決め方

 近所の避難場所は、すぐに頭に浮かびますか? おそらく小学校などの名前が挙がると思いますが、実際の災害時になると、避難場所には多くの人が集まります。その中で、自分の家族を探すのは極めて難しいことです。ジャングルジムの横、鉄棒の脇、など具体的な集合場所を決めておきましょう。時間も9時、12時、15時などと決めておくと、外出先から戻ってこられない場合でも、不安に駆られながら待ち続けなくてすみます。たとえば20分待ってもこなかったら、次の時間までは安全なところに避難する。このような決め事を家族で作っておくといいでしょう。


◆家族との連絡の取り方

 地震が起こると、多くの人が家族の安否を気遣って電話をかけるため、回線がパンク状態になり、携帯からの安否確認も難しくなります。このような場合、いったん「電話を外に出す」(直接確認せず、遠隔で確認する)方法をおすすめします。東京で地震があったら、たとえば青森や福岡の親戚に電話をかけます。自分の無事を知らせ、子どもや夫から電話があったら無事を伝えてほしいと告げます。県外の人をメッセンジャーにすることで、家族の安否確認ができます。
 連絡が取れないことを前提に、家族でルールを作っておくのもいいでしょう。たとえば「震度5の地震が起きたら各自でこういう行動をとる」というルールをマニュアル化しておきます。保育園や学校、企業でもこのようなルールを作っておくと、自己防衛の意識も高まり、仮に連絡がとれない事態になっても、家族が今どんな行動をとっているか、ある程度予測することができます。


◆引き取り訓練の取り決めについて

 保育園に子どもを預けている場合、親が引き取りにいけないときに誰が行くか、祖父母にお願いするか、近所の人に頼むか。あらかじめ園に知らせておくことも必要です。場合によっては誰も来られないこともあります。そういった場合、園はどこまで預かることができるのか、そのあとどうするか、行政とのかかわり方も今後の課題になります。


◆首都直下型の地震が起きたら…

 阪神大震災のときには、揺れによる建物の崩壊被害、東日本大震災では津波による被害が甚大でした。地震の専門家をはじめとするさまざまな方面から、首都直下型の地震では、火災旋風が吹き荒れることが予測されています。地域によって、起きる災害も変わってきます。自分の住む地域では、どんな災害に結びつくか。できるだけ具体的にイメージして備えましょう。
 今回の東日本大震災のとき、東京では多くの人が家路を急ぎ、道路には車があふれ、歩道は人で埋め尽くされました。首都圏の立派なビルにいた人々が急いで外に出ました。もし、マグニチュード8レベルの地震が首都圏で起きたとき、今回と同じように慌てて外に出てしまうと、多くの命が失われかねません。たくさんの危険物が落ちてきて、ガラス片が降ってきます。出るのと留まるのとどちらが助かる率が高いか、よく考えて行動する必要があります。



シンポジウム様子(2)
パネルディスカッション
 各自治体や公共交通機関から、子どもたちを守るための取組が報告されました。

◆東日本大大震災以降の保育所の取組(武蔵野市子ども家庭部保育課長 伊藤英穂氏)

 保育園に子どもを預けている場合、親が引き取りにいけないときに誰が行くか、祖父母にお願いするか、近所の人に頼むか。あらかじめ園に知らせておくことも必要です。場合によっては誰も来られないこともあります。そういった場合、園はどこまで預かることができるのか、そのあとどうするか、行政とのかかわり方も今後の課題になります。


東日本大震災当日の対応

  • 地震発生5分後から保育関係施設の状況確認に努めました。保育ママ2名と認証保育所1ヶ所と連絡がとれない状況に。保育ママについては近隣の公立保育所職員が自宅を訪問して無事を確認。認証保育所については建物の無事を確認。
  • 認証保育所1か所が17時まで連絡がとれなかったため確認したところ、小学校に避難したことが判明。現地の施設長、姉妹施設と協議の上、姉妹施設に移送を決定。
  • JRなど交通機関の運転中止の情報を確認した後、各保育園に引き取り終了まで園児をお預かりするように指示(民間には依頼)
  • 認可保育所では20時の段階で87名(全体の6%)が在園。最終引取りは翌朝の8時30分。

認可保育所での震災対策

  • 災害時優先電話の指定…市内認可保育所15か所を指定
  • 緊急地震速報の活用…公立保育所など9か所が設置(震災前より)
  • 市防災無線の活用…、訓練の実施。緊急時に誰でも無線通信が操作できるよう
  • 災害備蓄品の購入…発災から帰宅困難などの理由により、園児の3割が2日間滞在できるだけの備蓄食料を市内認可保育所15か所分購入。

福祉避難所としての保育所の役割

 大規模な災害が発生の際、乳幼児を持つ世帯は、避難所での生活を余儀なくされたり、災害復旧活動のため乳幼児の世話ができなくなる家庭が発生することが予想される。親と離別して乳児はどこまで生活できるか、保育所としてどんな役割を果たせるか、備えとしてどのような体制で保育所を活用できるか、さらなる対策を検討中。


◆豊島区における児童虐待対策(豊島区子ども家庭部子育て支援課長 関考一氏)

 年々増加傾向にある児童虐待件数を減らすため、豊島区では全国的な法整備に先駆け、2000年度から「虐待防止ネットワーク」を立ち上げ、活動を進めてきました。 以下、豊島区における児童虐待の現状と防止の取組を紹介します。

  • 2010年度の豊島区における児童虐待件数は533件(養育困難…215件、ネグレクト…126件、身体的虐待…104、心理的虐待…85、性的虐待…3(※未然に防いだ数を含む)
  • 児童虐待の対象児の年齢は、小学校就学前の子どもが半数。児童虐待の3件に2件は実母が加害者。虐待の背景として最も多いのは、家庭や家族に根ざしたもの(子どもの養育やDVなど)が9割。そのほか、経済的理由、精神・依存症理由。
  • 豊島区の地域特性として、核家族世帯の割合の高さ、転出入の割合の高さ、町会加入世帯の割合の低さなどが挙げられる。そのため、地域コミュニティが希薄化。子育ての孤立化・負担感が増大し、家族間の問題、経済的困窮、精神疾患などが複雑に絡み合って、児童虐待につながる恐れが懸念されている。
  • 豊島区では①地域の連携・見守りの強化による児童虐待の予防、早期発見、早期対応②虐待についての区民の理解の推進を課題とし、2000年に「豊島区子ども虐待ネットワーク」を設置。児童相談センターから学校や民生委員、福祉事務所、保育所、医療機関、母子生活支援施設など、幅広いネットワークで児童虐待にかかわる情報を共有。関連機関が相互に関わるケースの調整及び連携を図っている。
  • 「ウエルカム赤ちゃん」事業の実施。初めての出産を迎える家庭を対象に、参加者同士の交流、赤ちゃんとのふれあい、絵本のプレゼントなど、出産前からの支援を心がける。
  • 子ども家庭支援センターなどの利用をためらう家庭に対しては、訪問支援を実施。2010年度は、218件の家庭を訪問。
  • バースディ訪問相談の実施。1歳の誕生日に合わせて在宅で子育てをしている家庭を訪問。相談を受けるとともに、絵本をプレゼント。
  • 設置後10年が経過し、地域への理解も浸透。民生・児童委員を始めとする見守りが強化されてきている。相談しやすい環境を整え、さまざまな角度から家庭とのパイプをつくることで、親子の孤立化を防ぎ、新規の児童虐待件数が減少することが期待されている。

◆「子どもを守るネットワーク」(略称「子どもネット」について 立川バス株式会社 取締役運輸部長 若山正氏)

 近年、子どもにかかわる事件や事故が多発していることを踏まえ、市町村による自治会とPTAが連携したパトロール活動、東京タクシー協会による警視庁と連携した活動が実施されています。「子どもを守るネットワーク」は、三多摩地域に所在する企業、労働組合で構成しています。主にバス、タクシー、宅配トラックといった交通機関、インフラ企業、市町村(公用車)です。取組内容は以下のとおり。

  • 三多摩地域で子どもを守ろうという目的のため2006年に発足。地域への周知化を図るため、ステッカーづくりを開始。
  • 子どもの身に危険が発生した場合、子どもが近くにいたステッカー貼付車両に保護を求めたり、社員側から子供に声をかけ、一時的に保護し、「子どもネット」であることを説明し、事情を聴いたうえで、警察へ通報するシステムをとっている。実際に2007年、日野市で中学生が襲われたときに登録車両が通りかかり、子どもを無事に保護したという事例がある。
  • 現在の参加組織は57社、15市、2金融機関、1共済(および当該労働組合)。合計8678車両にステッカーが貼られている。今後、さらなる企業や行政の参加を促し、子どもを守るための体制強化をはかる。

↑ページの先頭へ