トップ > 子供未来とうきょうメッセ2011> メインステージの御案内 >地域の子育て支援モデル事業報告

開催趣旨・概要ボタン メインステージのご案内ボタン セミナースペース 展示ブースボタン
キッズスペースボタン ワークショップボタン アクセス メインステージお申込み

メインステージ 事前申込制(定員:各回150名)※講演、シンポジウムのみ

レポート

地域の子育て支援モデル事業報告

 子育て応援とうきょう会議では、地域に根ざした5つの取組みをモデル事業として実施しています。当日は各モデル事業の代表者がこれまでの取組や今後の課題について報告を行いました。

モデル事業テーマ 発表者 団体名
子連れボランティアの組織化 大槻昌美さん キッズスペースぶりっじ@roka (NPO法人 せたがや子育てネット)
子育て主夫ネットワーク「レノンパパ」 浅田直亮さん 主夫ネットワーク「レノンパパ」
育てにくい・育ちにくい子への理解を深めるために子どもの発達への感覚統合的な支援を普及する事業 中川奈緒美さん NPO法人 あそびっこネットワーク
預け合い 小原聖子さん ゆったりーの
「すべての子どもが豊かになる東京を!」遊びを保障するためのネットワーク形成事業 嶋村仁志さん TOKYO PLAY

コーディネーター 松田妙子さん とうきょうKSP事務局(NPO法人 せたがや子育てネット)


「東京の子育てスタンダードを作ろう!」という掛け声のもと、他への波及効果が期待できそうな事業、広域での活動が向いているであろう事業といった観点も考慮しつつ選ばれた5つのモデル事業による報告です。(松田さん)


子連れボランティアの組織化

大槻昌美さん キッズスペースぶりっじ@roka(NPO法人 せたがや子育てネット)

事業の目的

 子育てをしながら実現できる社会参加の提案と支援。子育て中は社会参加ができないのではなく、子どもと一緒にボランティアもできるということ、子連れボランティアを通して新しい出会いや地域とのつながりも生まれるということを知ってもらうきっかけに。


「組織化」よりも「循環へのしくみ」が必要

 キッズスペースぶりっじ@roka は、NPO法人せたがや子育てネットがUR芦花公園団地内で運営している子育て広場。0才から2才くらいまでのお子さんとその保護者がのんびり過ごせるスペースです。


 子育て中の親は受け手になりがちな生活ですが、自ら活動することで誰かの役に立ったという自己肯定感が高めることができます。また、社会参加することで周囲の人々とわが子の成長への喜びを分かち合うことができます。さらに子どもが多様な大人の中で成長し、地域が多世代につながるというメリットも。子育て広場に来ている親たちを巻きこむためにも子連れボランティアというしくみは有効です。


 子連れボランティアはキッズスペースぶりっじ@rokaの子連れスタッフという形で活動しています。子連れボランティア組織化に向けて、これまでにヒアリングやミーティングなどを行ってきました。その結果、組織化よりも子どもの成長に合わせて関わり方を変化させることができる「循環のしくみ」が必要だということに気づきました。


 現在、子育て中の親が子連れボランティアに参画できるようなしくみづくりを目指し、その手引書を作成中です。また「ボランティア」という言葉が参加する人のハードルを上げているのかもしれないという懸念があります。ボランティアに代わる新しい言葉を作ってみるのもよいかもしれません。

子育て主夫ネットワーク『レノンパパ』

浅田直亮さん 主夫ネットワーク「レノンパパ」

事業の目的

 孤立しがちな子育て主夫同士がつながり合い、交流し合える場を提供。また、子育て主夫としての不安や悩み、喜びややりがいを共有することで、よりポジティブに子育てに取り組めるようにする。さらに、子育て主夫の存在や子育てに取り組む姿勢・経験を積極的にアピールし、「子育て主夫」に対して、さらには「子育て」や「家族の在り方」に対する社会の認識の変化を促す。


子育ては男子一生の仕事として誇らしいこと

「子育て主夫」とは自分が主体となって子育てをしているパパを指します。専業・兼業は問いません。子育ては男子一生の仕事として決して恥ずべきことではありません。未来を担う子どもを育てる仕事なのですから、むしろ誇らしい仕事といえます。また子育て主夫には「ママの気持ち」も「パパの気持ち」もわかる強味があります。
 しかし現実には、平日昼間の子育ての場はママばかり。子育て主夫の一番大きな悩みは孤立感なのです。また、子育て主夫になったことで社会から取り残されたような不安を感じることもあります。

 そこで私たちは、子育て主夫同士がつながり合えるネットワークを作り、そこで孤立感を解消し、さらに不安や悩み、喜びややりがいを共有することで、よりポジティブに子育てに取り組もうと考えました。「まずは出会うことから始めよう」という考えのもと、子育て主夫交流会の企画・開催を行っています。また2011年8月26日「レノンパパサミット2011」を開催しました。第1部はTOKYO PLAY 嶋村仁志さんによる「目からウロコの子どもの遊びの話」、第2部は「涙あり笑いあり? 子育て主夫宣言!」といった濃い内容で、子育て主夫だけでなく主婦の方も参加してくださいました。
 このような交流会やサミットは今後も定期的に行っていきたいと考えています。またインターネットによる日常的な交流も行っています。

 11月5日青山こどもの城で行われた「お父さんの遊び市」ではレノンパパは「子ども笑わせコンテスト」を開催しました。子どもに触れずにいかに早く笑わせるかを競うものです。一生懸命に子どもを笑わせようとするパパの姿は感動的でさえありました。  このように交流会以外にも企画・イベントを開催しています。

育てにくい・育ちにくい子への理解を深めるために 
子どもの発達への感覚統合的な支援を普及する事業

中川奈緒美さん NPO法人 あそびっこネットワーク

事業の目的

 昨今子どもを取り巻く社会的な問題である「親の子育てストレス」「虐待」「学級崩壊」「いじめ」「不登校」「引きこもり」「ニート」等を防止するために、子どもの発達への感覚統合的な視点を普及し、どんなタイプの子でも育てやすく育ちやすい地域社会をつくる。


子どもを理解するうえで必要な「感覚統合的な視点」

 知的な障害を伴わないアスペルガー、自閉症等の広汎性発達障害は乳幼児期に認定できないケースがあります。このグレーゾーンの乳幼児には、いわゆる「育てにくい」子であるケースが多々あり、「育てにくい子」を育てる親の多くは子育てストレスを抱え、ときには虐待に走ることもあります。そして親の不適切な子どもへの関わり方が、さらに子どもの発達を遅れさせ、問題行動を増長するという悪いスパイラルに陥ることも…。
 また、発達障がいの症状が軽度であるなどグレーゾーンの小中学生、高校生の場合、周囲の適切なサポートがない状態では「育ちにくい」こともあります。
 このような「育てにくい子」「育ちにくい子」への理解を深めるためには、子どもの発達への感覚統合的な視点が求められます。

 「感覚統合」とはアメリカの作業療法士が考え出した理論で、遊びセラピーの基にもなる理論です。日常生活での様々な出来事にスムーズに対応できるかどうかと、感覚統合は密接に関わっています。たとえば、授業中じっと席に座っているのが苦手、友だちと関わるのが苦手、計算をするのが苦手、文字を書くのが苦手…など苦手が多い子は感覚統合がうまく育っていない可能性があります。
子どもの感覚統合は、日常的な遊びや体験を通して適切な時期に適切な量と質の感覚刺激を経験する中で育っていくものです。
 しかし現状は、「育てにくい」状況が多い0~3才児の親子に接する子育て広場のスタッフや保育士でさえ、感覚統合的な視点で子どもの発達や困った行動の原因を家庭の子育て力の低さのせいにしてしまうことがあります。
 まずは子育て広場のスタッフや保育士が、子どもの発達を感覚統合的な視点で理解し、親のストレスを軽減できるようになることが必要です。そして、子どもの発達を促す生活や遊びの環境について支援できるようになることが必要不可欠です。今後は、小学校、児童館、学童保育等、学童期の子どもに関わる施設の職員にも感覚統合的な視野が求められるでしょう。

 あそびっこネットワークは現在、「感覚統合」を伝えるための子育て支援者向け講座開催に向けて、プログラムづくりを行っています。プログラムには感覚統合を育てる遊びや遊具の紹介も入る予定です。

預け合い

小原聖子さん ゆったりーの

事業の目的

子どもをもつ親同士で預け合いをすることにより、

  • ・自分の子ども以外の子どもをみる経験
  • ・子どもと離れる経験
  • ・預けるだけでなく預かる側の経験

を、参加したほかの何人かと共有することにより、その後も互いの子どもの成長を見守ったり、自宅などで預け合うことができる関係になること。


そのよさを再発見! 昔ながらの預け合いの手法

「預け合い」事業の根底には「昔ながらの預け合いの手法を知ってもらおう」という考えがあります。
 2011年5月より試験的試みを開始しました。基本パターンは、ヨガ講座や離乳食講座などのイベントを企画。イベント当日はまず参加者の顔合わせを行い、AとBの2つのグループに分けます。片方のグループがイベントに参加してリフレッシュしている間は、もう片方のグループが子どもを預かるというしくみです。
 当初のやり方では参加人数がなかなか集まらず、成立したのは4回、参加親子は延べ18組にとどまりました。今後検討を要する点として、
 ・知らない者同士預け合うのは不安。
 ・リフレッシュとして2時間は短い。
 ・リフレシュ&預かりの時間を合計すると約5時間。この時間は子どもには長い。
といった声がありました。
こうした意見を受けて、その後は2週連続で行うようにし、1週目にイベントに参加したら翌週は子どもを預かるというしくみに移行しました。

「預け合い」に参加者からは
・幼稚園のお友だちとの預け合いに自信がもてた。
・預け合いという手法を知ることができた。
などの声があり、その効果が上がっていることがわかります。

 

 最終的には講座などの仕掛けがなくても自発的な預け合いができるような形に移行していきたいと考えています。

すべての子どもが豊かになる東京を! 
遊びを保障するためのネットワーク形成事業

嶋村仁志さん TOKYO PLAY

事業の目的

 遊びに関わる様々な立場の人たちが共通して考えられる、遊びに関するワークショップを開発し、それを実践することで、東京都内の遊びに関する団体のネットワークを構築。そのネットワークを通じて「すべての子どもが豊かに遊べる東京」を実現する。


「すべての子どもが豊かに遊べる東京」に

 かけっこ教室などといったものがある時代。「子どもの成長には遊びが大切」ということはわかっていても、管理責任や交通事故、不審者、ケガへの不安などによる制約で、何をどうしたらよいのかわからなくなっているのが現状です。

 子どもにとって「遊び」とは、自分の生きている世界を知るトビラ。「子どもが豊かに遊べる街」が、「子どもが豊かに育つ街」と言えるでしょう。
東京に暮らす187万人の子どもたちが豊かに遊べるようにするには、街づくりから行うことが必要。そのために、市民向けと実践者向け、2種類の遊びに関するワークショップを開催しています。
 2011年8月には、立川にてワークショップを開催。「市庁舎屋上を子どもや大人が遊べて憩える場所にするために、見たり感じたりしながらアイデアを出してみましょう」ということで、子どもと大人、合わせて約40人が集まりました。

 現在東京都の人口は約1300万人。たとえば東京都内で100万人の人がワークショップに参加したら、必ず東京は変わるはず! 子どもの遊びを保障する社会の実現に必要なのは人と人とのデザインだと思っています。

 さらにTOKYO PLAYは、子どもの遊びの重要性を広く社会に訴えていく活動の一環として「東京プレイデー」実現に向けて動いています。2011年夏にはTOKYO PLAYのメンバーがイギリスのプレイデーを視察。併せて、遊びの中間支援組織ロンドンプレイを訪問しました。


↑ページの先頭へ