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WLB推進企業レポート掲載!『オリックス株式会社』 (『大学生の視点』からワークライフバランス推進に取り組む企業を取材!)

2009/02/18

                     

オリックス株式会社

〜同業他社に先駆けて早い時期から女性の能力発揮を進め、女性管理職も多いオリックス株式会社。多様な人材を受け入れることをベースにした人材戦略の中からワーク・ライフ・バランスの取り組みが。人事グループ人材開発チームダイバーシティ推進担当の脇真由美様にお話を伺いました〜

【企業概要】

事業内容
 多角的金融サービス業
設立年
 1964年4月
従業員数
 (2008年9月30日現在)グループ全体 19,827名 単独4,386名(男性2,625名、女性1,761名)

【ワーク・ライフ・バランスの取り組みについて】
—貴社の考えるワーク・ライフ・バランスとはどういったものでしょうか。
 まずはじめに、オリックスグループの人材戦略スローガンである『Keep Mixed』についてお話させていただきます。
『Keep Mixed』とは、「性別や年齢、国籍などを問わず多様な人材を受け入れることで、多様な価値観や専門性による知の融合を図り、新たな価値を生み出す」という考え方です。組織にさまざまな人材がいるということはさまざまな価値観が存在し、ワーク・ライフ・バランスに対する考え方についてもさまざまなものがあるということ。異なる価値観であれば、相手を尊重し、良いところは学びあうという環境が自然とつくられます。それなしには多様な人材を受け入れることはできません。ワーク・ライフ・バランスという考えを取り入れることは、多様な人材で構成される組織を生かし、『Keep Mixed』を実現するために必要なことなのです。
次に、オリックスが考えるワーク・ライフ・バランスとは、仕事と自分の生活がよい影響を与え合い、個人の持っている能力を最大限発揮できることだと考えています。ワーク・ライフ・バランスとは、「ワーク(仕事)とライフ(自分の生活)のどちらに重心を置くのかという価値観」や「ワーク(仕事)とライフ(自分の生活)の時間の配分の問題」ではない。「自分の生活」とは家庭生活のみならず、健康を維持すること、勉強する時間、新たな人脈を得る社外との交流の時間などのこと。心身を健康に保ち、新たな刺激を受けアイディア・人脈・スキルを身に付けることができる時間が「自分の生活」です。「自分の生活」を充実させた結果、仕事へも高い付加価値を提供し続けることができ、一人一人が充実した社会生活を送ることができると考えています。

—もともとそうした取り組みをされていて、あとからワーク・ライフ・バランスという言葉が出てきた、ということですか。
 オリックスでは言葉だけを先行させるのではなく、多様な人材を生かし、価値ある職場づくりを目指しています。このことは、かなり以前から重視し実践してきましたし、全員に浸透しています。
当社は設立間もない頃から女性の活用が進んでいます。男女雇用機会均等法が成立する以前の1982年より女性総合職の採用に取り組んできました。その結果、現在では社員の約4割を女性が占め、管理職も多くいます。そのため、女性が出産しても産前産後休暇、育児休職を取得して、その後復職することが特別なことではない職場環境、制度が整っています。また、当社では早くから女性活用に加えて、営業推進役(営業経験が豊富な方の中途採用)や、外国籍の人など、いろいろな方が働いています。以前から継続的して、こうした多様な人材の活用に取り組んできたので、それが企業文化として定着しています。

【両立支援について】
—ワーキングマザーが非常に多いということですが、何か特別な支援をされているのでしょうか。
 育児休職として長期の休みを取ることは不安が大きいですよね。そこで、産前や育児休職中の社員に向けたワーキングマザー同士の交流と、復職を支援する懇親会『ORIX Group Mom』を年3回(東京2回、大阪1回)開催しています。託児サービスを会社で提供しますので、子どもを預けてゆっくり懇親会に参加できるようになっています。この場で先輩ママの経験談や、ワーキングマザーを妻に持つ男性などから話を聞いて、復職への具体的なイメージを持ってもらうようにしています。現在では、女性の17%がワーキングマザーです。

—ワーキングマザー同士の日常の情報交換なども支援されているのでしょうか。
 どの部署にもワーキングマザーがいる環境なので、特別ネットワークづくりはしていませんが、それぞれが個別に情報交換や相談をしたりしている印象ですね。

—男性の育児参加を促進しているそうですが、男性で育児休業を取得した方はいらっしゃいますか。
 現時点で4名が取得しました。2週間〜1ヶ月程度の期間であれば仕事にも大きな影響はなく、取得者の評判は非常に良いです。現在、取得を希望している社員もいて、制度についての問い合わせもあり、注目されていると感じています。男性の育児休業に関しては、法改正をしても大きく取得率が上がるものではないと思いますので、社内での地道な取り組みで、男性の意識を変えていくことが大切だと考えています。

【社会貢献について】
—社会貢献にも力を入れているそうですが実際にどのようなことをされているのでしょうか。
 会社として、事業だけでは貢献できない分野へ継続的な支援を行う目的で、オリックス社会貢献基金を2006年に設立しました。社会福祉、青少年たちの健全育成、音楽、文化・芸術、国際協力などを支援しています。また、ボランティア休暇・休職制度を利用して、社員がさまざまなボランティア活動に参加しています。
主な活動内容としては、肢体不自由児施設に対する福祉車両の寄贈、児童養護施設の子どもたちの支援、肢体不自由児・者の美術展に協賛などです。また、海外では、学校施設の建設、本やパソコンなどを寄贈しています。

—ボランティア休暇というのはどのように利用されているのでしょうか。
 オリックス社会貢献基金の活動は、社内で参加者を募ることもあり、ボランティア休暇を利用する人も多くなっています。主な対象活動内容は、児童養護施設の子どもたちを野球観戦に招待したり、障がい者の方を水族館見学や体験プログラムに招待する際に、社員ボランティア数名が付き添いとして同行しています。また、個人でのボランティア活動の際にも取得できるので、利用している人もいます。

【その他の制度について】
—メンタルヘルスに関しての取り組みを教えてください。
 「グループ健康推進室」を設置おり、ここではメンタルに限らず、心身の不調について幅広く相談できます。何か不調があれば、自身で予約をして専門のスタッフに相談できる仕組みです。また、メンタルヘルス研修を実施しており、参加を義務付けています。

—自己啓発に対しセミナーの実施や、補助金を支給されているそうですが、どのような目的で自己啓発支援を行っているのでしょうか。
 一人ひとりの社員に対して、個性や能力を伸ばしてプロフェッショナルになってもらうことが目的です。

【職場の雰囲気について】
—実際に働かれている社員の方から見て職場の雰囲気はどうですか。
 私が所属するダイバーシティ推進チームでは、現在女性の活用に力を入れています。まだまだだと思う点もありますが、研究会等に出席すると、他の会社の方からは「女性活用が進んでいる」と驚かれることがあります。女性の割合が約4割と比較的多いので自然と女性の声が届きやすい雰囲気があるのだと思います。
会社全体をみると、onとoffのバランスをうまくとって働いている社員が多いことも特徴に挙げられるのではないでしょうか。これは、若いうちから一人ひとりが仕事を任されている、自分自身で働き方を選ぶことができるなど、会社の雰囲気が手伝っているように感じます。

—仕事を任せられるというのは一人ひとりに要求されているレベルも高いということですね。
 若いうちから仕事を任されますので、やりがいはあります。もちろん、結果を出すことも必要です。結果を出すためには、忙しい時は残業もしなければいけない場合もありますし、その仕事のための勉強が必要な時もあります。たとえワーキングマザーで時短勤務をしている人であっても、仕事量が減るわけではなく、短い勤務時間内で会社が求める結果を出しています。高いモチベーションを保つためにも一人ひとりの責任が大切であると考えています。

【今後の課題について】
—社風や制度など貴社を点数で評価すると何点でしょうか。
 自画自賛なのですが、100点だと思います(笑)。オリックスで働いている人はオリックスが好きな人が多いんですよ。制度面では、外資系などでもっと進んでいるところがあると思いますが、日本の企業の中ではがんばっていると思いますし、実際に働きやすい会社だと思います。

—100点と評価されたのですが、今後の課題などはありますか。
 ダイバーシティとして、現在は女性の活用に力を入れていますが、次のステージとしては違う切り口の『ダイバーシティ』に取り組むことで、また違った価値が創造できると考えています。今は女性の活用を中心に進めつつ新しい課題を探しているという状態です。
やはり一番大切なのは多様な人材が働きやすい雰囲気をつくる「職場づくり」だと考えています。制度は充実してきたので、あとは利用しやすさを考えていきたいですね。マクロの視点で見ると概ね制度を利用しやすい雰囲気はできていますが、ミクロの視点で見たらまだまだ利用しにくいということがあると思うので、全社員が働きやすい職場をつくっていくことが必要だと考えていますね。

—貴重なお話をありがとうございました。

【インタビューを終えて】
 制度などはもちろん充実していたが、何よりもオリックスという会社の特長は、多様性を受け入れる柔軟な社風が印象的だった。もともと、多様性を受け入れる文化が定着していたとのことだったが、女性社員の比率が約4割、ワーキングマザーが17%、女性管理職も多数いる点を見るとダイバーシティを積極的に進めている成果のようにも思えた。
また、他社の営業経験者を営業推進役として積極的に採用する制度など、独自の制度が導入されている点などは必要に応じて柔軟に取り入れている印象を受けた。
ワーク・ライフ・バランスという言葉ではなく、『Keep Mixed』というスローガンが会社の核にあり、多様な人材を上手に活用し様々な価値を生み出している働きやすい会社であった。

【レポート作成者】
 法政大学キャリアデザイン学部 松村明典

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