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WLB推進企業レポート掲載!『株式会社東芝』 (『大学生の視点』からワークライフバランス推進に取り組む企業を取材!)
2009/02/18
~ワーク・ライフ・バランスを「働き方の見直し」と明確に位置づけて、「ワーク・スタイル・イノベーション」という活動を展開する株式会社東芝。この活動を推進する多様性推進部、制度企画担当の宮地信貴様ときらめき企画担当の吉川千秋様にお話を伺いました~
【企業概要】
| 電子デバイス・社会インフラ・デジタルプロダクツ・家庭電器事業と様々な事業を展開 | |
| 1904年6月(創業1875年7月) | |
| 31,676名 (男性28,028名、女性3,648名) |
【ワーク・ライフ・バランスの取り組みについて】
―ワーク・ライフ・バランスについての考え方をお聞かせください。
当社では、「ワーク・スタイル・イノベーション」という活動を展開しています。「ワーク・ライフ・バランス」というと世間的には仕事はほどほどに余暇を楽しむ、女性が仕事と家庭を両立するための制度と思われがちです。しかし、ワーク・ライフ・バランスはすべての社員にとって必要であり、そのために働き方そのものを見直そう、との考えから「ワーク・スタイル・イノベーション」という言葉を使っています。企業はワークに焦点をあてて、社員のみなさんに効率的でメリハリのある仕事をしてもらうことが重要だと考えます。働き方を見直す手助けとなるようハンドブックなどを作っています。
男性も育児に参画し、社員には会社以外の色々な経験をしてその経験を会社でも活かしてほしいと社長が常にメッセージを発信していますので、こうしたことは非常に大切だという意識が社員の間にも定着しつつあります。
仕事と生活の両立を支援する制度の整備・拡充も進めており、2007年に「次世代認証マーク」を取得、「にっけい子育て支援大賞」も受賞し、社外からの一定の評価を得ていると考えています。
―賞をとるなど、先進的な取り組みをされていますが、働く人の状況はどのような現状ですか。
従業員の平均勤続年数は全体で17.4年です。男女の平均勤続年数の差はあまりありません。現在は、出産後も働き続ける女性が多くなっています。
役職者5,289人中、144人が女性です。数年前に比べると、とても増えました。
【育児休職について】
―女性の勤続年数が長く役職者も増えているということですが、育児支援策が充実しているということですね。
2004年10月に「きらめきライフ&キャリア推進室」という男女共同参画推進組織を立ち上げました。女性が仕事と家庭を両立するためにはどんな制度が有効かについてアンケート調査を実施し、職場環境の整備を進めてきました。
当社の育児休職は、子が満3歳に達するまで取得できます。アンケートで要望が高く実現可能なものから、順々に制度化していきました。
―さまざまな制度を導入して働く人の感想はいかがですか。
「制度が整っているので助かります」という声を聞くこともありますが、ここ数年女性の離職率が下がっていることが目に見える成果だと思います。女性の定着が進んできたということは、結果として働きやすい環境になってきたということでしょう。
育児休職は3年まで取得できますが、子育てをしながら働き続ける場合には、保育園の入園というものが一つのポイントになっています。保育園に入園ができれば、保育園を利用して職場復帰する方が多いし、希望の所に入園できないと休職を延期される方がいます。特に都市部では保育園に入るのが厳しいですね。
企業の中に保育所をつくるという考え方もありますが、どこに設置するのがいいのか、保育所をつくったとしても満員電車に乗って子どもを連れてくるのは難しい、など、必ずしも社員のニーズに合致しないようです。
―育児休職制度の利用状況を教えてください。
2006年は男性で5人、女性で333人の取得がありました。2007年には男性が7人、女性が333人です。
男性の育児休職取得者はまだまだ少ないですが、専業主婦の夫でも育児休職が取得できるという制度にして、多くの男性社員に対象を広げています。夫婦2人で子育てをしたい、男性の中にどうしても自分で育児をしたいという方もいますね。
―育児休職を取得している社員に対して、復帰のための支援策はありますか。
育児休職をする前に、取得するご本人・人事担当・上司の三者で面談をして、休業中の仕事のことや連絡について話し合います。休業していると会社の情報が分からなくなってしまうので、定期的に連絡をするようにします。その連絡は会社からした方がいいのか、本人からした方がいいのか、電話なのかメールなのか、等の細かい点も話し合って決めておきます。職場復帰する時も同じように面談を行っています。休業中に自宅で会社の情報が閲覧できるようにしている部門もあります。
また、育児休職を取得してもその後の昇進や昇格・昇給の影響はありません。こうした点をきちんと本人に説明しておくことも重要です。
―育児休職の取得を促進するための工夫や取り組みとしてどのようなことをしていますか。
制度があっても周囲の理解がないと活用してもらうことができませんので、社員の意識や職場の風土を変えるための取り組みに力を入れています。
制度について理解して頂くため4コマ漫画を使って分かり易く説明したハンドブックを作成したり、育児休職を取得する場合に本人や上司がすることをまとめた資料を一人一冊配布したりしています。また、制度面だけでなく、女性をはじめとしたすべての社員の能力を活用することが本当に大切なんですよ、ということをまとめた冊子を配布したり、対話会、外部からの講師を招いての講演会などで、その重要性を説明してもらっています。
―育児休職制度以外の特徴的な取り組みはありますか。
「配偶者の転勤」「介護」「出産・育児・養育」を理由に退職した人を再雇用する制度があります。最近は出産や育児を理由に退職する人は少ないので、再雇用制度を使う大きな理由というのは、配偶者の転勤になっています。配偶者の転勤となるとどのくらいの期間になるか分からない、でも配偶者と一緒に生活をしたいということで、やむなく退職するケースがあります。このような場合に、5年以内に復帰すれば正社員として再雇用する仕組みとなっています。
また、経済的な支援策としては、お子さん一人につき次世代育成手当を支給したり、カフェテリアプランを利用して育児に関わる費用のサポートが受けられるようにしています。
【キャリア支援等について】
―育児や配偶者の転勤にも対応できる制度があるということで、働く人のキャリアを支援しているという印象を受けます。
社員が自己のキャリアプランを意識して選択できる多彩な教育プログラムが整備されています。社員の自己啓発の取り組みを支援する仕組みとしては、研修費用・資格取得の補助もあります。自己負担なしで通信教育を受けることもできます。
―職場の雰囲気を良くしたり、人間関係を円滑にするために取り組んでいることはありますか。
多様な人々が性別や年齢、国籍、障害の有無などの違いを理解・受容し尊重し合い、多様な人財がともに活躍できる組織・風土づくりを、冊子の配布や教育研修などの機会を使って進めています。こうした地道な取り組みが社内の風土を変えてきていると考えています。
また、定期的に従業員意識調査を行っています。調査結果を基に各職場でフィードバック・ミーティングを実施し、組織の活性化につなげています。
―メンタルヘルスに関してはどのように取り組んでいるのですか。
信頼できる相談窓口として、電話相談窓口(こころの“ほっと”ステーション)を作りました。それにより、従業員を支える家族の相談にも対応することができるようになりました。また、新入社員にはメンタルヘルスの教育、役職者向けの教育も行っています。
東芝健康保険組合の雑誌「元気ライフ21」やホームページを通して、メンタルヘルスの啓蒙・教育活動を行ったり、家庭用保存版の「セルフケア小冊子」を配布しています。
また、産業保健スタッフの能力向上のために、教育や講演会を定期的に開催し、研修会・学会参加や資格取得なども積極的に支援しています。
【今後の課題】
―今後の課題はありますか。
ワーク・ライフ・バランスはすべての社員にとって必要なものです。女性に限らず、男性も仕事と生活の調和が図れるようにならないとワーク・ライフ・バランスを推進していることにならないわけです。そのためには仕事の変革が重要ですが、それは一朝一夕に進むものではないので、この動きに拍車をかけて取り組んでいきたいと思います。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。
【インタビューを終えて】
【レポート作成者】
法政大学キャリアデザイン学部 土谷輝明












