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WLB推進企業レポート掲載!『株式会社大和証券グループ本社』 (『大学生の視点』からワークライフバランス推進に取り組む企業を取材!)

2009/02/18

                     

株式会社大和証券グループ本社

~忙しいというイメージの証券業界。その中で、経営トップのリーダーシップのもとに社員のモチベーションの向上をめざして積極的なワーク・ライフ・バランス施策を展開する大和証券グループ。人事部ワーク・ライフ・バランス推進室の村瀬理紗様にお話をうかがいました。~

【企業概要】

事業内容
 証券業
設立年
 1999(平成11)年
従業員数
 正社員数:14,456名(2008年3月31日現在 主要グループ会社含む)

【ワーク・ライフ・バランスの取り組みについて】
―貴社の「ワーク・ライフ・バランス」の取り組みの概要を教えてください。
 「働きやすい会社№1」を目指しています。社員が高いモチベーションを持って仕事に取り組むことができる、「働きがいのある会社」でなければならないと考えています。大和証券グループでは、ワーク・ライフ・バランスを実現することで、社員一人ひとりのチャレンジ精神や仕事への活力を生み出すことができるように、様々な取組みを行っています。
 2008年4月には「ワーク・ライフ・バランス推進室」を設置しました。また、「ワーク・ライフ・バランス推進委員会」を発足し、委員長であるCWO(Chief Work-life-balance Officer)に社長が就任しました。
 それに先立って、2005年2月には、意識の高い女性社員の活躍を推進し、いきいきと自分のキャリアを磨ける職場環境をつくるために、「女性活躍推進チーム」を組織しました。単に女性を優遇するのではなく、女性が働きやすい環境づくりを進めることで、「男女ともに働きがいを感じる職場環境」を整えることを目指したものです。
 外部的な要因としては、平成17年4月施行の次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画を策定し、社員が仕事と家庭の両立を図りながら、安心して働くことのできる職場環境づくりに取り組んできました。この取り組みが評価され、2008年には、「次世代の育成支援に積極的に取り組む企業」として、「子育てサポート認定事業主マーク」(愛称「くるみん」)を取得しています。
 今後も、育児をする社員の支援をはじめ、多様な価値観とライフスタイルを持つ社員一人ひとりがいきいきとその力を発揮できる職場環境の整備に取り組み、ワーク・ライフ・バランスの推進に努めていくことが重要であると考えています。

―会社をあげてワーク・ライフ・バランスに取り組んでいることがわかりました。このように経営トップが積極的にワーク・ライフ・バランスに取り組んでおられるのはどうしてなのでしょうか。
 我が社では「業界最高水準の人材が集い、高いモチベーションを持って仕事にチャレンジできる環境・体制を整備する」という目標を掲げています。企業理念の一つである「人材の重視」に則り、当社グループの競争力の源泉は人材であるという考えを具現化したものです。
 数年前までは、女性が結婚や出産で退職してしまうというケースも多くありました。そこで「女性活躍推進チーム」が中心となり、様々な制度や施策を導入した結果、現在は結婚しても出産しても各種制度を利用しながら仕事を続ける女性が増えてきています。また、その制度を使いやすいものにするため、管理職をはじめ全社員への制度周知も行っています。また、女性だけではなく男性にとっても働きやすい環境作りに取り組んでいます。こうした取り組みによって社員のモチベーションがあがっているように感じます。

【仕事と生活の調和を図るための制度について】
―仕事と生活の調和を図るための制度としてはどのようなことをされていますか。
 まず、女性活躍推進に関する制度・取り組みとして、次のような制度があります。
・勤務地変更制度
(結婚・配偶者の転勤などの理由により転居が必要な場合に、転居先で就労場所を提供)
・従業員再雇用制度
(結婚・出産等の理由により退職した社員に対し、再雇用する道を提供している)
・制度利用のフォローアップ
(従業員個々の育児関連スケジュールを把握し、人事部から制度利用をタイムリーに案内している)
・女性のためのキャリアデザイン研修
(女性のキャリアデザインについてロールモデルとなる外部講師を交えてディスカッションをしたり、社内の部室店長を講師とした女性社員向け研修などを実施)

 また、育児支援制度・取組みとして以下の制度があります。
・育児休職3年間
・保育施設費用補助制度
(子どもが小学校入学までの期間、保育施設にかかる費用を一定額補助している)
・育児支援ガイドブックの配布
・育児支援サイト「ダイワファミリーネット」
(育児休業中の社員向けサイト。各種情報提供を行い、復職時に円滑な職場復帰ができるように支援している)
・第3子以降出生お祝い金200万円

―多様な制度がありますね。このように充実した制度があるのはどうしてですか。
 「社員が高いモチベーションを維持し、会社に貢献しようと思えるためには『働きがいのある会社』でないといけない」という経営トップの考えのもと、この考えのもと、さまざまな制度導入につながっていると思います。
 社員の満足度を高めていくことが、お客さまや株主の満足度を高めていくことにもつながると確信しているのです。社員一人ひとりが高いモチベーションを持って仕事にチャレンジするには、仕事も私生活も充実させることによって仕事への活力を生み出し、業務効率を高めていくことが大切であると考えています。今までは、休みにくい雰囲気があって、休暇取得率も低かったのですが、2008年からは休暇取得を促進するように、社員へ呼びかけています。

―休暇取得の促進を含め、制度の利用を進めるための工夫はどうされていますか。
 制度を社員社内に周知させるために、社内のwebサイト・育児支援サイト・育児支援ガイドブックなどで制度を紹介しています。また、利用しやすい雰囲気作りのために、上司や同僚などまわりの意識を高め、生きた制度にしていくよう、会社としてしっかりフォローして定着させる工夫もしています。例えば、社員が育児休職から復帰する際に、育児関連制度の利用予定を人事部に提出してもらい、それを人事部から上司に伝えることで、上司が自分の部下がどのようなワーク・スタイルを望んでいるか、どのような制度利用を希望しているかを理解できるようにしています。
 2005年に様々な「女性活躍支援プラン」を導入した「女性活躍推進チーム」では子育てをしている人にアンケートを取ったり、10人のメンバーで意見交換をしながら、制度作りに取り組みました。実際に制度を利用する立場からの提案というのも重要です。
 男性の育児休職取得も重要な課題です。2008年4月には男性の育児休職制度を改訂し、2週間以内の休職であれば有給とし、配偶者が専業主婦の場合でも取得できるようにしました。2008年4月~12月で8名の取得者が出ました。

【労働時間や休暇取得について】
―業務効率というお話がありましたが、労働時間短縮に向けた取り組みを教えてください。
 労働時間削減への取組み・休暇に関しては、2007年から「どんなに遅くても19時には退社しよう」と全社員に呼びかけることを始め、今ではかなり浸透しています。18時前に退社できる支店も多くなってきました。これを始めたことで、業務効率も上がり、メリハリができました。また、社員一人ひとりの表情が良くなったと感じています。

―有給休暇の取得に関してはいかがでしょうか。
 有給休暇を取得しやすい雰囲気作りのため、2008年度は積極的に有給休暇取得を促進しました。管理職が率先して有給休暇を取得することにより、休暇を取得しやすい企業風土を醸成するようにしています。2009年度も、「時間は自分自身でコントロールできる」という意識を徹底して浸透させることにより「仕事と生活の調和」を実現し、短時間でより高い付加価値を生み出せるよう働き方の見直しを図っていく予定です。
 また、家族の親睦を深めるための休暇として「ファミリーデイ休暇」や「結婚準備休暇」などの休暇制度を実施しています。

―メンタルヘルスに関しては何か取り組みをされていますか。
 職員が心身ともに健康に働けるように、2006年8月、メンタルヘルスサポート室を設置しました。職員や家族を対象にカウンセリングを行っています。2008年4月からは、臨床心理士を1名から2名に、臨床心理士の駐在日数を週3日から毎日に増加しています。外部の専門機関と提携して、全国の職員や家族からの迅速な対応を受けられるようにもなっています。社内での認知を広め、早期発見や予防につながるように取り組んでいます。

―家族の方も対象にされた取り組みもされているんですね。
 家族が交流する機会を重視しています。半年に一度開催される社長賞の表彰式(実績を残した社員を表彰するもの)には家族も招待しています。2007年11月には、東京ドームで「ダイワフェスティバル」として、社員とその家族が自由に参加し楽しめるアトラクションやステージイベントなど、趣向を凝らしたイベントを開催しました。また、2008年8月には「家族の職場訪問」を全国の本・支店で開催し、約4,400人のご家族を職場に招待しました。
 このように、日ごろの感謝の気持ちを込めたイベントを開催し、「家族も会社が好きになる」ことを目指しているのです。

【ワーク・ライフ・バランスへの取組の現状評価、今後の課題について】
―多様な観点からワーク・ライフ・バランスに取り組んでおられますが、今後の課題はありますか。
 まず、社員一人ひとりにワーク・ライフ・バランスを浸透させていくことが課題です。社員の中には、「バリバリ働きたい」という人も多いわけです。そうした社員にも仕事と私生活を充実させることで、むしろ仕事の効率があがるということを呼びかけています。特に、男性が休みやすい雰囲気をつくり、男女が働きやすい環境になるよう納得してもらう努力をしていくことが重要だと考えています。そのために、ワーク・ワイフ・バランスのセミナーなどを行い、社内にこの考え方を浸透させていくことにしています。ワーク・ワイフ・バランスによって、社内が活性化するということを、職場の中での共通の認識とすることが重要です。
 また、今後は介護に関しての課題が大きくなると考えています。高齢化社会が進む中で、介護に関する制度はこれから検討を進めていく必要があると思っています。

本日は貴重なお話をありがとうございました。

【インタビューを終えて】
 トップが「男女が平等に働きやすい環境にする」努力をしていることが見受けられました。トップから「女性がやめない会社にしよう」と呼びかけていることで、社員に浸透しているようです。「女性活躍推進チーム」と「ワーク・ライフ・バランス推進室」の設置により、仕事と生活の調和のとれた働き方を追求していくとともに、今後の諸制度の活用状況や生産性との関係についての調査・分析を行い、活きた制度の確立に努めているのが印象的でした。社長が「ワーク・ライフ・バランス推進委員会」の委員長としてCWOに就任し、トップダウンによってこれからも職員すべてのモチベーション向上に向けて取り組んでいく意欲を強く感じました。
 また、「ワーク・ライフ・バランス」を推進することで、女性社員だけでなく男性社員も育児に参画する機会を増やしています。また、会社が子育てをする社員をバックアップすることで、子どもを育てる喜びを従来以上に実感してもらう機会を提供することを重点に置いており、「会社と社員・家族」のことを考えている企業だと感じました。

【レポート作成者】
 法政大学キャリアデザイン学部 福田 真央

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