このページの位置:
トップ > イベント・取り組みレポート一覧 > イベント・取り組みレポート

イベント・取り組み詳細情報

WLB推進企業レポート掲載!『ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社』 (『大学生の視点』からワークライフバランス推進に取り組む企業を取材!)

2009/02/18

                     

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社

~働く人の多様性=ダイバーシティを重視した人材マネジメントの観点から女性の活躍推進にいち早く取組み、女性が能力を発揮できる条件の基盤整備を推進しているジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社。ご自身も子育て中の、同社メディカルカンパニー広報部の古川裕子様にお話を伺いました~

【企業概要】

事業内容
 総合医療・健康関連用品の輸入・製造販売
設立年
 1978年8月
従業員数
 2049名(2008年12月現在)

【ダイバーシティプログラムについて】
―まず、貴社のワーク・ライフ・バランスの前提にあるダイバーシティ(Diversity)のお考えについて教えてください。
 弊社では、ダイバーシティを重要な経営戦略として位置づけ、様々な取り組みを行ってきました。そもそも、アメリカ本国では、ダイバーシティは民族・宗教・性別・年齢などのダイバース=多様性を包含しています。日本では、特に女性にフォーカスをして、取り組みを行っています。
 これまで、女性の能力発揮に関しては積極的に取り組んできており、社内では女性が普通に活躍しているという雰囲気があります。弊社では、60年前の社是において、性別に関係なく能力のある人にチャンスを与えることを明記してきました。男性だけの考えだけでなく女性の考え、多様な考えや発想は、経営にとって不可欠です。企業が成長していくためには、ダイバーシティが必須であるのは自明のことであり、社会貢献や慈善事業ではなく、企業の成長の手段としてダイバーシティ政策を考えています。
 ダイバーシティプログラムとしては、マインドセット、女性の積極的雇用、優秀な女性の育成、子育ておよびワーク・ライフ・バランス支援の4つの基本方針から成り立っています。

―ワーク・ライフ・バランス支援と関連の深い、女性の能力発揮について具体的にお聞かせいただけますでしょうか。
 弊社では、WLI( Women’s Leadership Initiative)として、女性の活躍推進に取り組んできました。これは、ダイバーシティの取り組みの重要な側面になります。
 アメリカでは1995年から活動を展開していて、日本では2002年ごろから活動を本格化しました。2005年に3法人5社が一緒になって、女性のリーダーシップはどういうことか、などにフォーカスをして、毎年6月にダイバーシティー/WLI月間として様々なイベントを行っています。
 2007、2008年は女性の営業にフォーカスをした取り組みをしました。メディカル業界は、女性の営業職が少なく、女性の活躍が進んでいない業界の一つです。弊社では女性の営業職も積極的に能力活用を図りたいので、女性の営業職が活躍するための課題を解決して、女性の能力発揮につなげていきたいと考えています。
 WLIの精神は、“Shared Responsibility”です。つまり責任を分かち合うこと。社員が会社にぶら下がっていれば、会社が何か制度を導入して手助けてくれるということでは、経営的に意味がありません。働く女性たちにもやる気や企業に対して貢献するといった意識を持ってもらい、企業経営と働く人の双方が責任を持ちながら、双方にとってよりよい仕組みを考えていくという考えの下で運営しています。願っていれば何かをしてくれるというわけではありません。この考え方は重要であると思っています。
 こうした取り組みの結果、男女の機会均等は徹底しており、管理職に占める女性比率も15%を超え、これをさらに引き上げたいと考えています。

【ワーク・ライフ・バランス支援について】
―それではワーク・ライフ・バランス支援としてどのようなことを実施しているのでしょうか。
 まず、勤務時間の柔軟性ということがあげられます。
弊社はスーパーフレックスタイム制度を実施しており、始業時間や終業時間を個々人が自由に決めることができます。自分の仕事の状況でフレキシブルに働くことが可能になっており、これで多くの問題が解決できています。
 例えば午後から子どもを歯医者に連れて行くから早めに帰るとか、予防注射があるから遅く出社するなど、自分の仕事とプライベートの折り合いをつけて休むことができます。そのため、有給休暇を取得することが少なく、有給休暇の取得率が比較的低いという面もあります。ただ、休みがとりにくい、という感覚はまったくありません。
 特に、介護や育児の場合には、年間20日までの在宅勤務ができる制度(フレキシビリティSOHO Day制度)があります。育児といっても小学校就学児を持つ社員が利用できるので、対象はかなり広いです。その場合に、セキュリティの問題もあり、会社負担でノートパソコンと携帯電話が各自に貸与され、どこでも仕事ができる環境があります。家に帰っても仕事ができるので、働き方に自由度があって働きやすいです。例えば、夜子どもと一緒に寝てしまい、気がついた時には夜中の3時すぎ、そこから仕事をする、ということもありました。時間や場所を問わず仕事ができる気楽さがあります。
 そもそも、弊社では成果主義を採用しています。子どもが病気だから有給にして休みにしても、実際には自宅で仕事をしている場合もありました。それだったら、自宅で仕事をした分は就業時間としてみるべき、成果主義といっているのだから評価をするべきということで、在宅勤務を明文化して規定を設けました。

―労働時間を減らすための取り組み状況や工夫について教えていただけますでしょうか。
 スーパーフレックス制度なので、そもそも勤務体系にフレキシビリティがあります。ただし、非管理職は、何時まで残業をしたかを記入するものがあり、数字が多く積み上がっていると担当の部門長からアラートがくる仕組みになっています。
 社内の雰囲気としては、働き方にフレキシビリティがあるので、仕事をするときはする、しないときはしない、という考え方です。例えば、病院の営業担当の社員でドクターの都合でどうしても20時過ぎに医局に行かなくてはならないというような時は、帰りが遅くなってしまいます。したがって、昨日の夜遅くなったから明日のアポは先生の都合で12時なので12時から勤務しよう、というように、一人一人働き方を決めることができます。営業職に関しては直行直帰で会社に出社せずに、自分の家から車に乗って代理店や病院に行って帰ってくることも多いです。自由度が高く、自分の予定でここのエリアを回ろうなど行動を決めることができています。

―そのほかに仕事と子育ての両立についてどのような支援策がありますか。
 支援策としては、次のような制度があります。
・妊娠中の簡易業務への配置転換(希望に応じて)
・出産育児一時金/家族出産育児一時金:自社健保より、法定を上回る一時金48万円を支給
・法定を上回る育児休職制度:保育園への入園と慣らし保育の期間を勘案して最長2歳未満まで育児休暇を取得できる。ただし他の制度が充実しているので、早々と育児休職を切り上げて職場復帰する人が多い。
・各種育児サポートチケット:自社健保サービスとして、育児サービスクーポン、ベビーシッター育児支援割引券、育児関連図書の購入費用支給などのカフェテリアプログラムを設けている。

―男性を意識した取り組みもあるようですが。
 男性の育児休職促進を狙って、有給育児休職制度を実施しています。これは、子どもの出生日より6ヶ月以内に連続5営業日の育児休職を取得した場合に有給扱いにするというものです。男性が育児休職を取得するとなると無給なので、配偶者も働いていないと生活が厳しくなってしまい、取得にハードルがあるわけです。そこで、5日間については有給扱いにして、男性の育児休職取得促進を図りました。有給にすることで、育児休職取得を会社として奨励するというメッセージにもなり、また5日間であれば、休職を取ることの心のハードルは低いので、育児休職の取得率が非常に高くなっています。最近では、妻が出産をした男性社員はたいてい取得しており、とても喜ばれている制度の1つとなっています。
 男性に育児休職や育児休暇を推進する背景として、若い層の男性社員が将来トップマネジメント層になり、仕事と生活のバランスについて人生のライフステージの中で葛藤する社員が出て来た時に、自分も休んだり育児に積極的に関わっていれば、その人達の状況についての理解ができるということが期待できます。こうした点からも、男性の育児休職の取得は必要だと考えています。

―経済的な支援として、「チャイルドケア支援金」もありますね。
 チャイルドケア支援金は、2003年度に導入しました。育児休職を1か月以上取得し、かつ配偶者が就労している社員、配偶者がいない社員を対象に、子が就学前まで、1年間に現金30万円を支給する制度です。子が就学するまでは毎年支給されますので、トータルでは大きな金額になります。使途は問わないので、子どもの面倒をみてもらうための親の呼び寄せの新幹線代に使用したり、子どものお迎えのタクシー代に使ったり、なんにでも使えます。会社が色んな所でのお金や心理面などでサポートをしてくれているのだなと感じることができる制度となっています。
 また、育児休職を取得していることが条件なので、男性の育児休職の取得を促進する効果も期待しています。

【制度策定のポイント】
―ユニークな制度がたくさんありますが、こうした制度を導入するときにはどのようにしてそれを決めていくのですか。
 社員のニーズに合った施策を導入することをモットーにしているので、定期的に社員にヒアリングを行っています。例えば、チャイルドケア支援金ができた背景として、WLI活動が本格的に始まった年でもあり、子育て支援の制度として何をやったらいいかという企画を展開する中で、子どもがいる社員にヒアリングをしていろいろなアイディアが出た中から作られた制度です。
 国や自治体が掲げるガイドラインに沿うことが目的なのではなく、職場で働く社員のニーズに見合った政策を展開することが重要だと考えています。

【今後の課題】
―成果主義を導入している一方で育児等への支援を充実していることについて、育児をしていない社員などからの不満はないのでしょうか。
 特に不満ということはありませんが、このバランスをどうとっていくかは、課題ではあります。

―医療業界は男性が多く、女性が少ないとお聞きしましたが、その点について詳しく教えていただけますか。
 そうですね。医療業界の営業は男性が多く、女性が少ないと言われています。そもそも転職市場において、医療業界で経験のある女性営業が少ないので、女性比率を上げるのに苦労しています。今後の課題として、女性の営業職を増やしたいと考えています。女性比率を上げるためには、女性の営業を増やしていかないと全体の比率が上がっていきません。

本日は貴重なお話をありがとうございました。

【インタビューを終えて】
 大手企業ならではのユニークな制度や、他社に先駆けてワーク・ライフ・バランスを取りやすいように配慮された制度の導入をされていることに、共感を覚えました。大きな会社になれば社員の声は反映されにくいのではないか?と考えていましたが、実際にインタビューをさせていただいて、経営者や人事の意見だけではなく、社員の声を大切にして制度を考案する材料にしていらしたのが印象的です。こうした取り組みが全国に浸透してほしいと思いました。

【レポート作成者】
 法政大学キャリアデザイン学部 麻生 佳孝

子育て応援とうきょう会議は子育てを応援するイベントや取り組みをしています。

イベント情報や、過去に開催されたイベントのレポートはこちらからご覧下さい!

  • イベント・取り組みの情報をみる
  • イベント・取り組みのレポートを読む

子育て応援とうきょう会議ってなぁに?


↑ページの先頭へ